kirakunikakitai.com

ほぼ月記

1107

 

 

 

 

ナッピバースデーわたくし、取り急ぎ

 

セットリスト1曲しか分かんなくて笑っちゃった。某曲が来るまでは取るに足らないことばっか頭の中を行き来していた。ああもう違うバンドだな、とか、ちゃんと弾いてるなあとか、案外に泣きもしないなとか、ちょっと丸くなられたな、とか、分かんない上に引っかかるというほどでもないな…とか。いろいろとどうでもいいこと。でもやっぱり、目なんか絶対合ってないはずなのにメイクのせいか衣装のせいかいつもcali≠gariを見ているときは青さんと目が合っているような錯覚を起こすなあと思った。だからきっとずっと好きでいた。

知らない曲ばっかりだったらきっとそのまま終わっていた。感慨もなく、思い起こされる気持ちもなく、だけど、7期の曲が来た瞬間に友達の肩を叩いてしまったし、スイッチ入ってベロベロに涙が出た。栓なんかありゃしない。何が恥ずかしいって泣くような曲じゃないんだよ。ハイカラで泣く奴なんかおらんねん!!!!きっしょ!!!!って思いながら、どう考えてもおかしいわ止めなくちゃと思いながら、結局1曲丸々ダバダバ涙が出て、これを書いている今、あー本当に涙腺のスイッチなんだなーと他人事みたいに思ってる。仕事でミスっても嫌なことがあっても泣けやしないくせに青さんを見て知っているメロディーを弾かれるだけでいとも簡単に涙が出てくる。どうかしてる。自分でも気色悪〜!と思う。そして同時に驚いた。まだこんなあっさり泣く?泣くような曲でもないのに?だけどハイカラって、わたしの中では7期を代表する石井曲なんだよなあ。知らない曲だけでセットリストを組んでくれたら泣かなくて済んだのに、その中で唯一知ってる曲がよりによってハイカラだったのも、結局こういう運命なんだろうなって左腕に爪を食い込ませた。

 

 

違うバンドだと思ったよ。10年経って許せるかもとか何様ながらに思いながら、だけど、帰る場所はもうないんだなとはっきり分かった。戻れない。わたしはもう熱を入れてこのバンドを追いかけられるようにはならないだろうって。悪感情を抱いたわけじゃないし、全然悪い意味でもなくて、変化をしたのはきっとお互いで、それでいい、それでしか有り得ないと思った。やりたいcali≠gariが実現出来ているなら別にいいんだろう。ただ青さんが息災で楽しくバンドを続けられるならそれが一番だと思った。呪いのような願いだね。

 

 

わたしなんかいなくても。

わたしなんかいなくても、バンドは続くし、音楽は止まないし、わたしが好きな人たちは笑うし、結局わたしは一体何のために、何がしたくて好きだったんだろう。自分の中で自分の不在が浮き彫りになる。いなくても何にも影響しやしない。どうにかなりたかったのか?交わりたかったのか?そうではないと思う。そうではなくて、ただ、わたしが大事だと思ったものが、あなたにとっても大事であってほしいと思っていた。わたしの大事なあなたであることを、あなたに自覚してもらいたかった。同じ気持ちでいてほしいと思っていた。こんなに傲慢なことはないのに。

わたしがそこにない年月の間に大好きでたまらなかった空間は形が変わり、わたしがわたしを新たにつくる過程でやはりわたしの姿も変わった。理由なんて要らないくらいただひたすらに好きで、なくなってしまうかもという焦燥感に煽られるように追いかけて、それでもまあ結局単純にビビるくらい好きで、作品がずっと優しくて、どこまでだって一緒にいたかった。今のわたしは違うんだね。何のために好きで、何がしたくて、どうなりたいのか、はっきりした答えを求めて考えてしまう。具体的な結果を欲しがっている。手応えなり、見返りなり、そういう狡さや卑しさを忘れて手放しで好きでいることがもう叶わない。

だからもうわたしはわたしを要らない。ここに必要だとは思えない。でも多分、それでいいんだと思うよ。

 

 

知らない曲が流れている間、「あれ、わたしはこの人のどういうところが好きだったんだっけ?」と過った。思い出せなかった。それはそれでいいと思ってた。でもハイカラのイントロが流れた瞬間、全部全部濁流のように思い出した。見下すような眼光も、場をモノにしてしまう圧倒的な存在感も、照らされて浮かぶその身体の線も、衣装やギターの端や隙間から溢れるその光の粒ですら。好きだったなと思った。見ていると胸が苦しくなって馬鹿みたいに涙が出てくる。止められない。何でこんなに泣けてくるんだろう。どうかしてる。