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おなじことをなんどでも書く

宝箱

 

 

 

 

 

イエ~イ今日4時間残業。

これを毎日繰り返すと過労死ラインに乗るんだね、まあこんなに残業すんの稀なんだけど。なんか同じ話題ばっかで申し訳ない気もするんだけど疲れると本当にムックが聴きたくなるんだよ。

今ムックは昔のアルバムを演奏するライブツアーをやってるんだけど、この間ボーカルのインタビューを読んだら「この音楽だけでなんとか生きていける、人生に楽しいことがなんにもなくて辛くて死にたいって言ってた子たちが結婚して子供を持って幸せそうにして、そしてライブに来てくれている」って感じのことを言っていて結構傷ついた。勿論これはわたしが勝手に傷ついているだけ。だってわたしは今も全然死にたいし、誰も好きにならないように気をつけているほどあのときのことを忘れられないし、まだ全然変わらないままで君たちの音楽を聴いとるんだよ。悪いか?

だけど、重たくて粘ついてドラマティックでリズミカルな音楽を、ムックだけじゃなくてもいい暗くてしんどくて人にはとてもすすめられないような後ろ向きな曲を聴いていると、割とちゃんと身につけてきた愛想笑いを脱ぎ捨てた自分だけの小さなジオラマの世界を見ているような幸福感がある。星を飲んだビル群、山並、湖、通学路、じめったい夏の夕暮れ、枯れ果てた凍てつく冬の黎明。思いつく限りの不幸ではない独りの思い出と、今までに集めてきた好きなもの、あの時計、ネックレスとピアス、膝掛け、貰い物のマニキュア、真っ青なニット、そういう目に映る素敵だと思えるものたちが音楽から想起されわたしをわたしたらしめる。

自分のことを好きになるのは相変わらず難しいままだけど、自分でありながら自分ではないところに、例えば過去や或いは所持品に微かな好きの軌跡があって、そういうものをひとつひとつ思い出して味わうために音楽が未だにある。悪くないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

いつかこうやって、ほんとはあのバンドも聴けたら良いんだろうけど、一生疎んでいたいかも知れない。わたしにとってムックやメリーや他のたくさんの好きだと思った音楽たちはなにかを思い出して味わうためのファクターとして大事だが、あのバンドだけはあのバンドを思い出すための悪魔の起動装置でしかないからね。

良いなと思った子がいても、きっとこの人たちにハマれたら幸せかもと思えても、結局あのときの傷が開くばかり。あれが最後でいい。良かれ悪しかれあれを最後にしたいと思ってる。まだ沼のへりで足を突っ張ってるよ。あなたがわたしと心中してくれるというなら話は別だが。でもそんなことそれこそ死んだって言ってくれないの分かってるから。

わたしは結局一緒に死んでくれる人をずっと探しているんだね。