kirakunikakitai.com

おなじことをなんどでも書く

♪:Imitation Rain

 

 

 

 

この街に来て半年が過ぎた。職場に向かうとき、仕事中に外を見るとき、仕事を終えて職場から出るとき、必ず空と山脈を見て「美しい街だな」と思う。10年前もきっと思っていたはずだった。ほとんど覚えていないし、何より、そう思わないように蓋をしていたんだろうなと思い返す。

大学時代のわたしは本当にダメダメで、授業にも出ずに家に籠もり何もかもが通り過ぎてくれるのをじっと待っていただけだった。この土地はそのどうしようもない自分の象徴だった。図書館への坂、教会の多い道、凍る冬、四方を山に囲まれたこの街にダメな自分を封じ込めるようにして地元へ逃げ帰った。

まさか社会人になってから帰ってくることになるとはなあ。折に触れて不思議な気持ちになる。何度となく感慨に耽る。

でも街を作る風景を美しいと思えるようになってきたのは多分良い傾向なんだろう。やっと寂しさを感じないようになってきた。好きになれなくてもいいから、次にこの街を出るときは悪くなかったなと思って出たい。

 

 

えーっとブログ書いてない間に何があったかなあ。歯が痛すぎて仕事抜け出して歯医者行ったりしてたな。2年くらい前にヘルニアやったときも思ったんですけどやっぱ神経いってる痛みって普通のと違ってどうにもなんないんですよね。体が覚えるし根源的な恐怖になる。酷いときは痛み止めを5回飲んだ…人生で初めて用法用量を無視した…わたし意外とそういうとこきっちり守るタイプなのに…

あと友達が来てくれてコナン見てちょっとお出掛けして、また別の友達が来てくれてご飯食べてカラオケ行って…

 

そうそう、ハマりたくね〜〜と喚いてたアイドルには結局ギリギリハマりきらずに済んだんですけど、セーフセーフと思ってたらすぐ隣のアイドル沼にハマりそうでびっくりしている最近です。しかもそれは割と歓迎してる。むしろハマれるならハマりたい感じ。やっぱりねー、作品至上主義よ。人ではなく。いかにアイドルであっても楽曲あってこそだわってしみじみ思って…いやハマりきらなかったグループの楽曲が悪かったわけでは一切ないんだけども。好みの問題。あと楽曲に対する姿勢みたいなのもちょっと思うところあったな。

 

てかもう名前出すか別に誰が読んで困るわけでもないしな。SnowManにハマりかけたのを回避してSixTONESに落ちかけてるんですよ、なにこの絵に描いたようなオチ!

SixTONESのCDを何枚か買って聴いてみたけどなんか…とても良い。お歌うまいし。SnowManもうまかったけど。最近の子ってほんと器用、あるいは器用に見せる努力がすごいんだろうね。

でもSixTONESの音源聴いてたら音楽聴くのってこんな楽しかったんだなーって改めて思ってちょっとワクワクしちゃったんだよね。どんだけワクワクしたかっていうと数年ぶりにPC引っ張り出してウォークマンiPodの編集をしたりイヤホン購入を検討したり夜に音楽聴きたさに散歩に出掛けたりしたくらい。まさかアイドルにそれを思わされるとは思わなかったけど。でも安心してください、デビュー曲の提供者YOSHIKIさんです。そこな!!さもありなん!!眠っていた血が滾る!!!紅に染まっちゃうううう

わたしは楽器も弾けないし音楽理論も全然分かんないし歌もうまくないし音感すらろくにないけど、小さい頃からとにかく音楽を聴いてて深く好きなアーティストがいて、その中でも一番音楽を聴いていたのは感受性全盛の大学時代だったわけですよ。それがこの街にいるときだったからもしかしたらこの街がそうさせるのかも知れないなあなんて思ったりもした。ずっと死んでたiPodがこの街に来て急に復活したりもしたし。あれはびっくりしたな。

数年前のあのときからもう音楽なんて要らないと思ってたし、実際暫くは要らなかったんだよ。捨ててやれと思ってた。職業でもないからなくたって生きていけるし、むしろ、なんだろうな、どうせ職業にも出来ないんだし、っていう引っくり返った卑屈さみたいなのもあって。

でもなんか久しぶりに「おんがくきくのたのしい!」みたいな原始的な喜びが体の中からわきあがってきてる。抵抗感ごと吹き飛ばすくらいの。奏でられもしない歌えもしない音楽に返せるものはなんにもないけど、一方的に享受するばかりだけど、ほんとに初歩の初歩に返ったみたいに楽しくて、ああ、なんて素晴らしいことだって。

 

でもたのしいと同時にどうしようもない切なさみたいなのもついでにわきあがってくるのはどうしたらいいんかね、これはもうきっと諦めるしかないんだろうなあ。笑

全盛の感受性で引き起こしてた全力の感傷が懐かしい。それがあって初めて出来たアイデンティファイが今はもう出来ない。呼び起こされてほしいものも風化していって思い出せもしない、多分これを加齢と呼ぶし、所謂尊厳の放棄なんだろう。

 

だけどほんとはそれすら肯定していきたいなとも思ってたりする。乾いていく心のおかげでわたしの精神は崩れないのだ、あの頃のままでは出来なかったことがきっと今出来ている。どちらにも揺れそうになるのをこちら側へ引き戻す力が今はある。

ハマれるならハマりたいけど、あの頃と同じではいられないから距離を取りながら楽しめるところを楽しみたいと思いますよ。

音楽は楽しいよね。思い出せてよかったなと思います。